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店舗別業績管理で店長に業績責任を持ってもらう

会社が成長して店舗数が増えてくると、店舗別に業績管理を行うことが必要になります。

店長は、店舗運営を行いながら、利益に貢献する責任があります。

各店舗毎の業績を把握する仕組みを構築しなければなりません。

 

店舗別業績管理のメリット

店舗別業績管理を実施していないと、業績責任は経営者だけのものになります(現場は経営に無責任)。

また、どうすれば店舗利益アップできるか判断できません。

注力すべき店舗と撤退すべき店舗がどれかの判断材料がなくなります。

店舗別業績管理を導入することで、店長をお店における経営者のような意識付けを行うことができます。

さらには、店長の経営者教育につながり、店舗業績が明確になり、店舗間の競争意識が馬で会社の活性化につながります。

 

多店舗経営における管理会計の必要性

多店舗経営によって、業績を毎年伸ばしていこうとするのであれば、年毎の決算だけでなく、少なくとも月次で各店舗毎の損益推移を把握し、常に経営改善を行うことで高収益企業を目指すことになります。

多店舗経営の管理会計を進めるためには、まずは、会計ソフトの部門別管理を活用することになります。
各店舗毎の損益計算書を把握することで、経営改善策を見つけることも可能となります。
多店舗経営を進めるためには、社外の公認会計士や税理士に依存するのではなく、自社内で計数管理の体制を構築することが必要でしょう。

まずは、店舗毎の営業利益を集計できるようにします。店舗毎に売上、売上原価、販売費管理費等を集計します。

さらに、店舗毎の1人当たり、坪当たりの経営指標をKPI(Key Performance Indicators=重要業績評価指標)にして分析を行っていきます。
KPIの達成度合いを毎月チェックしていき、不採算原因を分析します。

KPIとは、組織や事業、業務の目標の達成度合いを計る定量的な指標のこと。 組織や個人が日々活動、業務を進めていくにあたり、「何を持って進捗とするのか」を定義するために用いられる尺度であり、現在の状況を表す様々な数値などの中から、進捗を表現するのに最も適していると思われるものが選択される。
出典:「KPI – IT用語辞典 e-Words」 e-words.jp/w/KPI.html

多店舗経営と分権的組織の長所

多店舗経営では、各店舗が、独立採算組織で、あたかも独立の企業であるかのように活動していく分権的組織が前提となります。
各店舗のスピーディーでスムーズな運営が行われるためには、各店長に意思決定権が相当程度権限移譲されることになります。分権的組織では人材育成が組織拡大のポイントとなります。
ちなみに京セラのアメーバ経営も分権的組織の一種です。
「会社経営の原理原則は、売上を最大にして、経費を最小にしていくことです。この原則を全社にわたって実践していくため、小さな組織「アメーバ」に分けて、市場の動きに即座に対応できる部門別採算管理を行います。」

出典:京セラ、「アメーバ経営 _ 稲盛和夫 OFFICIAL SITE」http://www.kyocera.co.jp/inamori/management/amoeba/(2016/08/10)

 

多店舗経営における店舗業績会議

店舗の目標利益を達成するためには、予算と実績を比較して、マイナスをプラスに変えていく継続的な取り組みが必要になります。

週に1回は店舗業績会議を開催し共有しましょう。

 

多店舗経営における店長の業績と店舗の業績

複数店舗の業績測定において注意が必要なのは、店長の業績評価と店自体の業績とは区別しなければならないという点です。
店長の業績評価は、その店舗の損益について設定された予算と実績との比較で行われるべきです(単に実績だけを見るだけでは不十分なのです!)。

またその店の売上、費用の多寡は店長にとって管理可能であったかどうかが大事なのです(管理会計用語では、管理可能性といいます)。

優秀な店長であれば、不採算店の店長を任されがちだからですが、不採算店の業績は、短期間で改善されるとは限りません。この場合、他店の実績と、不採算店の実績を単純に比較して、不採算店の店長を評価するのは不公平です。不採算店について設定された予算と実績との比較こそが意味をなすのです。

 

多店舗経営における店舗別損益計算

複数店舗を運営している場合、店舗別の損益計算を行うことによって、会社全体の利益に対し、各店舗がどれだけ貢献しているか、店舗別の収益力を正しく判断することができます。

各店舗の損益計算書を見れば、どの店舗が繁盛店で、どの店舗が不採算店かを把握することが可能となります。
繁盛店については引き続き力を入れ、不採算店は業績改善策を講じつつも、改善見込みがなければ閉店も視野に入れることになります。

 

多店舗経営の経営効率を示す指標

多店舗展開を進めていくには、数値データによる計数管理が重要になってきます。

多店舗経営特有の経営指標としては以下のような指標があります。

  • 売り場1坪あたり年間売上高
  • 従業者1人あたり年間売上高
  • 従業者1人あたり売場面積
  • 1店あたり売場面積
  • 1店あたり従業者数
  • 1店あたり年間売上高

日本リテイリングセンターが発表している売上高50億円以上の小売業について「ビッグストア基本統計」が参考になります。
売り場1坪当たり、一人当たり、一店当たりの業種別の平均数字が開示されています。
各店舗のKPI設定の際に目を通すと良いと思います。

出典:日本リテイリングセンター「ビッグストア基本統計」http://www.pegasusclub.co.jp/images02/bigstore/bigstore2016_02ed.pdf(2016/08/10)

 

多店舗経営におけるバックオフィス業務とIT

多店舗経営を推進するためには、自社(店舗、本社、倉庫等)の業務全体を棚卸し、IT化による効率化を検討することになります。

  • 店舗POSによる売上情報と会計データを連携させることで日次決算も可能となります。
  • 各店舗毎の在庫管理と会計データへの連携。
  • 各店舗の経費精算と会計データへの連携。
  • タイムカード、勤怠管理、シフト管理と給与計算への連携。
  • 顧客管理とポイント引当金と会計データへの連携。

 

多店舗経営と各種会計ソフトでの対応 部門別(店舗別)会計

弥生会計

弥生会計では、部門設定機能で複数店舗の店舗毎の損益計算書を把握することが可能となります。勘定奉行とは異なり部門の階層化することができ、組織変更があった場合でも、マウス操作で部門の並べ替えがかんたんにできます。

最大5階層までの部門を設定することができます。組織変更があった場合でも、マウス操作で部門の並べ替えがかんたんにできます。科目の残高や各種集計を部門別に把握することができ、地域や部門、店舗ごとの費用や収益を管理できます。

多店舗経営支援会計事務所の税理士 弥生会計の部門設定

このように、弥生会計では、部門の階層をいくつか持つことができます。

ただ、部門別財務諸表を表示しようとすると、第1階層しか画面上は表示されません。第2階層の子部門を画面上切り替えて表示することはできますが、一覧表示することはできません。

部門別損益計算書を一覧表示で見ることができないのは、結構不便なことです。

したがって、弥生会計で、部門別損益計算書等を一覧で見ようと思うと、結局、エクセルでデータをダウンロードして加工するなどの追加作業が必要となります。

部門別損益計算書

出典:「導入・設定_弥生会計 16|経理・会計ソフトなら弥生」/ https://www.yayoi-kk.co.jp/products/account/function/setup.html(2016/08/10)

 

勘定奉行

勘定奉行では、部門別集計表で複数店舗の店舗毎の損益計算書を把握することが可能となります。部門を階層化する事は出来ませんが、設定した部門をグループ化することにより様々な集計が可能となります。したがって、弥生会計とは異なり、A部門の下階層にある部門を、B部門の下階層に移動したりすることは出来ません。

部門別集計表をはじめ、簡単なボタン操作で集計・印刷が可能な各種管理帳票を豊富に搭載しています。会計データを様々な角度から集計・確認いただけます。

部門集計表 多店舗経営支援会計事務所

出典:「特長・機能|会計ソフト・システムなら勘定奉行i10の【OBC】」/ https://www.obc.co.jp/click/bugyo-i/kanjo/feature01.html#ajx_featureTab2(2016/08/10)

 

MFクラウド会計

MFクラウド会計では、部門別集計表で複数店舗の店舗毎の損益計算書を把握することが可能となります。部門は最大2階層まで設定可能です。

MFクラウド会計の場合、弥生会計とは異なり、第2階層の子部門も一覧表示することが可能です。部門別損益を一目で把握することができるというメリットがあります。

部門別会計機能と使って、会社全体だけでなく、支店や部署など、部門毎に残高試算表や月次推移分析が簡単に行えます。

多店舗経理支援税理士 部門の設定画面

出典:「部門別会計|使い方ガイド|会計ソフト「MFクラウド会計」」/ https://biz.moneyforward.com/howto/function/5(2016/08/10)

 

多店舗化推進のためのクラウドタブレット型POSレジと会計データの連携例

クラウド・タブレット型POSレジであれば安価な導入が可能です。
日々の売上情報の管理から入金までの経理処理をスムーズに行うことができます。

POSレジ 対応会計ソフト 特徴 価格
Airレジ 弥生会計、freee、MFクラウド会計 クラウド会計ソフトとも自動連携可能(弥生会計とはスマート取引取込経由で連携可能)。従来POSレジと異なり無料提供されている。タブレットPOSはネット環境は必要であるが、LANケーブルも不要。顧客管理機能が無い。 初期費用0円、月額費用0円。
ユビレジ freee、MFクラウド会計 クラウド会計ソフトとも自動連携可能。 0円~(プレミアムプランは5,000円)
スマレジ 弥生会計、MFクラウド会計 弥生会計とはスマート取引取込経由で連携可能 基本料4,000円~

 

多店舗経営と税金

多店舗経営を進める際に、税金を無視することはできません。
新たな店舗を出店すると、店舗所在地の都道府県、市役所・区役所等にも均等割(きんとうわり)を支払う必要があります。
同一都道府県内でも異なる市区町村に新規出店をする場合には、各市区町村毎に均等割の納付が必要となるのです。
東京23区の均等割は以下となります。
多店舗経営税理士均等割

出典:都民税均等割の税率表 http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/kintou_zeiritu.pdf (2016/08/10)

 

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Gemstone税理士法人は多店舗経営を推進する企業を支援させていただいております。

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